サラリーマンとして企業で勤務する中、「独立して自分の会社を立ち上げたい」と考える方は少なくありません。
会社を新たに設立する際には、綿密に計画を立てて準備を進める必要があります。
準備を怠るとトラブルが発生しかねません。
そこで今回は、配線の増設を始めとする電気工事事業を手掛ける法人の設立について解説します。
目次
1.法人で電気工事業や配線増設業を始める際に準備しておくべきこと
電気工事業や配線増設業を設立して独立したものの、資金不足に陥るケースが少なくありません。法人を設立する際には、金融機関からの融資を検討する必要があります。一度、金融機関へと足を運び、創業支援について相談してみましょう。受給資格者創業支援助成金などを活用して創業のコストを軽減する方法を見つけられます。
専門的な知識と技術を携えた有資格者であったとしても、経済的な余裕がなければ事業を軌道に乗せることは難しいです。特に、人脈がない場合には設立者自身が営業活動を行って仕事を取らなければならず、資金繰りが悩みのタネになりがちです。
また、一般的な電気工事や配線増設で用いる工具だけでなく、特殊な環境下で利用する機材も揃えておかなければ仕事の内容が限定されます。実績のない新規の会社は小さな可能性に期待して果敢にチャレンジすることが大切です。「工具が十分に揃っていない」という理由で仕事の依頼を断ると、せっかくのチャンスがふいになってしまいます。
開業時には工具や機材を満遍なく揃え、多種多様なニーズに対応できる体制を整えましょう。そのため、しっかりと開業資金を蓄えておくことが重要です。
さらに、一定の条件を満たしていなければ法人の立ち上げが難航します。最低条件として、第二種電気工事士の資格と共に、3年以上の実務経験が必要です。そのため、電気工事に3年以上携わってきた実績を証明する書類が欠かせません。
勤務していた会社へ連絡し、証明書を取得しておきましょう。因みに、第二種電気工事士の場合、可能な工事が限定されており、仕事の確保が難しいです。尚、認定電気工事従業者の講習を受けると、活躍できるフィールドが格段に広がります。
但し、実務経験を3年以上積んでいなければ講習を受けられません。独立を見据えて資格を取得し、スキルアップを図ることが事業を成功させる鍵となっています。各種免状は各都道府県の窓口で法人設立の申請を行う際に欠かせません。紛失している方は再交付の手続きを行って準備しましょう。
その他、事業の拠点となる場所を確保する必要があります。しかし、仕事の目処が立っていない時点で事業所の賃貸契約を結んでしまうと、経済的に圧迫されてしまうので要注意です。大口の顧客が見つかるまでは、賃貸料金を出来る限り安い値段に抑えましょう。事業内容が明確になり、規模の拡大が決定した際に、好立地・好条件の事業所へと移ることが望ましいです。宣伝効果を期待して幹線道路や鉄道路線の沿線で開業すると、瞬く間に廃業へと行き着く可能性を否めません。
電気工事の工具や機材一式を乗せて移動する車両も調達しておきましょう。中古車販売会社や整備業者に相談すると、購入価格帯を抑えられるはずです。自身の仕事内容を事細かく説明して、毎日の仕事で利用しやすい車を探しましょう。
設立時に仕事の先行きが見えている場合には、事務職や電気工事士の募集も行います。一緒に仕事をする仲間を確保し、円滑に仕事を進められる環境の整備に尽力しましょう。
新入社員の研修やフォローアップを工夫し、人材の定着に取り組むことも大切です。適材適所を意識して、人材の配置、リーダーの育成を行いましょう。人材が定着しやすい環境の整備によって事業の発展へと繋げられるはずです。
電気工事業や配線増設業の開業手続きには、複数種類の書類が必要です。記載に誤りがあると登録申請が遅々として進みません。しかし、法律の専門家へ依頼すると登録申請を難なく済ませられます。その上、事業を展開する際に役立つ情報を得られます。事業が難航する前に、対策を講じて軌道修正を図れるはずです。法律家だけでなく色々な専門職と積極的に関わり合って、自身の夢を実現させましょう。
2.法人で電気工事業や配線増設業を開業する時の手順
電気工事業者として開業する時には、居住している都道府県へ届け出ましょう。先ず、各都道府県の電気担当窓口へ訪れます。登録電気工事業者登録申請書・誓約書など、数種類の書類を作成・申請します。
登記簿謄本、電気工事士の免状を確認用の書類として提出しなければならないため、揃えておきましょう。登録手数料は2万円程度です。
3.まとめ
電気工事業者を設立する際には、電気工事士としての経験や実績だけでなく、潤沢な資金も必要です。サラリーマン時代に将来を見据え、キャリア形成、資金の準備に努めましょう。
また、開業後に仕事を回してくれるビジネスパートナーを増やしておくことも大切です。豊富な人脈は利益を生み出し、事業を成功させる上で非常に重要です。