家を建てる前にどんなに綿密に日々の生活をシミュレートしても、長年暮らしていると「廊下にもうひとつスイッチがあれば…」という要望が生まれるのではないでしょうか。
他にも、コンセントの容量が足りないというケースもあるでしょう。
ここでは、スイッチ増設の電気工事を依頼した方が良い理由や工事の料金相場、業者の選び方について解説します。
目次
1.スイッチ増設は電気工事業者に依頼した方が良い理由
スイッチを増設する際、行う電気工事の内容は「増設する場所の確保」と「配線をつなぐ」の2点のみです。
非常にシンプルな手順であるため、DIYで可能ではないかと思う方も多いことでしょう。しかし、照明スイッチやコンセントの増設など、ブレーカーを切るなどの作業を伴い、感電する恐れのある作業を行うには電気工事士(第二種)の資格が必要となります。
この資格は国家資格ではないにしても、電気技術者試験センター主宰のマークシート方式による筆記試験と実技による技能試験を合格していなければなりません。蛍光灯の交換や、コンセントパネルの交換程度であれば資格なしでも可能ですが、増設作業自体が難しい上に感電の危険も伴うため決して無免許の状態で行わないようにしましょう。
2.スイッチ増設を依頼した時の料金相場
スイッチの増設を検討している時に最も気になるのが、工事費用ではないでしょうか。
依頼する業者や増設する場所によって異なりますが、スイッチ増設工事は一箇所につき3,000〜5,000円が相場となっています。スイッチに採用する部品によって、価格が500〜1000円ほど上乗せされる場合があります。
これに関しては電気工事業者に依頼する際、工事の見積もり書の作業内訳をチェックすることで確認が可能です。料金が妥当な金額であるか、ホームセンターやインターネットの通販サイトなどで製品の詳細を確認すると、より確実でしょう。
また、増設の際に配線を追加して引き延ばさなければならない場合、配線部材を含めて8,000円前後になることもあります。優良な業者であれば、ケーブル配線工事の作業内容によって細かく値段設定を明記しているので、業者選びの際はこういった点もチェックすると良いでしょう。
ケーブル配線工事5mまでであれば800円追加、6m以上になれば1m追加ごとに400円ずつ上乗せなど、こちらも業者によって異なるので見積もり書を依頼してチェックするのが良いです。
この他、各部屋の配線状況や増設する場所によって難易度が変わるため、状況によっても価格が変わることを覚えておいてください。業者によって出張費用の有無も変わってくるため、こちらも契約を交わす前にきちんと確認しておきたいところです。
ちなみに、訓練と勉強さえすれば電気工事士(第二種)の免許を取ることは十分可能です。一年に一回の頻度で行っており、試験対策の本やサイトも多数あります。しかし、試験対策のために時間や労力が膨大である点、受験費用や都道府県知事への申請費用などをいれた諸経費が40,000円以上かかる点を踏まえると、電気工事業者に依頼した方が手軽かつ安全であり賢明でしょう。
3.電気工事業者の選び方のポイント
インターネットで検索をかければ、電気工事の依頼を請け負う業者はたくさん見つかるため、どのような基準で選べば良いか迷う方も多いでしょう。まずは、一番大切な「電気工事士(第二種)の資格を持っているか」という点をチェックしてください。
業者のホームページを見れば一目瞭然なので、面倒だからといって調べるのを怠ってはいけません。大半の業者は、会社案内や会社概要のページに記載しています。「電気工事に関する資格を持ったスタッフ多数」という曖昧な表記を信用せず、「愛知県知事認可」や「兵庫県知事認可」など各都道府県知事による認可があるかどうかをチェックしましょう。
先述の通り、電気工事士は資格試験に受かっても正式には認められず、各地域の知事に申請をして認可を受けて初めて電気作業が可能となるからです。「知事認可」の後に、「般」や「特」などの表記とともに、数字+号(12345号など)の表記があって初めて信用できます。
次に、実績や口コミをチェックします。業績・実績がある企業であれば、ホームページに過去の事例や作業例をたくさん紹介しているはずです。企業の操業が長ければ良いという訳ではありませんが、創業してから20年以上経っている業者は安心感があるでしょう。
また、リフォーム・改修工事に関してはいたるところで口コミ情報を目にすることができます。こちらも忘れずにチェックしておいてください。
そして、一社だけでなく複数の業者に見積もりを依頼することも大切です。料金相場が分かる上に、不明瞭な作業内訳を見分けられるようになるなど、見積もりへの監査能力もレベルアップします。安く確実に作業を遂行してもらうためにも、ぜひ数社に見積もりを依頼するようにしてください。
4.まとめ
一見簡単なようで大きな危険を伴うスイッチ増設工事は、電気工事業者への依頼が不可欠です。業者を選ぶ際、電気工事に必要な電気工事士(第二種)を保持していること、見積もり内容の確認が必須となります。
複数の業者に見積もりを依頼して、料金やプラン、作業内訳をくまなくチェックした上で作業を依頼するのが後悔しないコツです。