建物を借りたけれど「こっちにコンセントを増やしたい!」と思った経験がある方も多くいるでしょう。
そのような場合は延長コードを使うという手段もありますが、見た目の悪さやブレーカーが落ちてしまうかもしれないという不安もあります。
ここでは、電気工事でコンセントを増設する方法や相場についてご紹介していきます。
目次
1.コンセントを増設するにはどのような工事の方法があるの?
コンセントを増設するための電気工事の方法としては、「コンセントの増設」と「コンセント差込口の増設」の2つがあります。
コンセントの増設は、これまでにコンセントがない場所に新しくコンセントを設置する工事のことを指します。一方のコンセント差込口の増設は、もともと2口コンセントであったコンセントを4口コンセントにするというような、差込口を増やす工事のことを言います。
また、コンセントの増設工事をおこなう場合は2通りの方法があります。
既存のコンセントの分散工事
まず1つ目は既存のコンセントを分岐させることによりコンセントを増設する方法です。この方法の場合、工事自体は簡単におこなうことができます。しかし、延長コードを使用する場合と同じになるので消費電力が大きくなるような利用には向いていません。
専用の配線を引く工事
もう1つの方法は専用の配線を引くというものです。専用の配線を引くためには分電盤と呼ばれる、電気を安全に使用するためには欠かせない漏電ブレーカーや安全ブレーカーを1つにまとめてある箱から専用線を引く必要があります。
この方法の場合は、分電盤から新しく配線してコンセントを増やすため工事の手間がかかります。しかし、専用線なので既存のコンセントを分岐させる方法よりも大きい電力を消費した場合でもブレーカーが落ちてしまう心配は少なくなるでしょう。
そのため、冷房器具や暖房器具などの消費電力が大きいものを利用する際に適しています。
ちなみに、コンセント増設工事をおこなう場合、「埋め込み」と「露出」という方法があります。埋め込みは壁に増設したコンセント差込口やコードを埋め込む方法です。コンセントを増やしても見た目はすっきりしたままなので見栄えが良くなるというメリットがあります。
しかし、埋め込みをする場合は工事に手間がかかってしまうので工事費用は高くなってしまうでしょう。一方の露出では増設したコンセント差込口やコードが壁の外に見える状態になる方法です。埋め込みに比べるとコンセント差込口やコードが目立ってしまうため見栄えが悪くなりますが、工事の手間は埋め込みほどかからないため費用は安くなるというメリットがあります。
2.コンセント増設工事の費用相場とポイントを知ろう
コンセント増設工事にかかる費用の相場についてですが、コンセントを新設する場合は1.5〜2万円ほど、コンセント差込口を増設する場合や既存コンセントの取替えは0.8〜1.5万円ほどかかります。
また、コンセント専用回路を増設すると2〜3万円くらい必要になるでしょう。既存のコンセントを延長する方が専用配線を新しく引く方法よりも安く済みますが、エアコンやIH、乾燥機を使用するためのコンセントを増設する場合は専用回路でないといけない場合があります。
このような場合には分電盤から新しい配線を引きますが、中には分電盤に新しく配線を引くための空きがないということがあります。その際は分電盤自体を交換する必要が出てくるので、より高い金額が必要になるでしょう。
また、配線を埋め込むのか、露出させるのかによっても金額に差が生まれます。これらのほかにも、コンセントを増設する場所が建物の外周側か室内側かといったことや、室内に増設する場合は何階建の何階に増設するのかということによっても費用は変わるのです。
コンセントの増設工事にかかる金額や提案などは施工業者によって変わるので、コンセント増設工事を依頼する場合は一か所ではなく複数の施工業者に相談をして見積もりをとるのが良いでしょう。
配線を埋め込む方法でコンセントを増設したい場合は、コンセントを増設したい場所も確認してもらってから見積もりを出してもらうと、より正確な金額を提示してもらうことができるでしょう。
なお、コンセントの増設工事をおこなうためには「電気工事士」という資格を持っていることが必要になります。電気工事は簡単なものでも感電したり、発火する恐れがあるため、必ず専門業者に頼んで工事をしてもらうようにして下さい。
3.まとめ
電気工事をおこないコンセントを増設するためにはいくつかの種類や方法があります。工事の仕方によって工事費用も変わってくるので、自分に合った方法で選ぶのが良いです。
場合によっては希望する方法での工事が難しい場合もあるので、専門の業者の方に相談しながら適切な方法を選択して下さい。コンセントを増設して、さらに快適に過ごせるようにしましょう。