差し込み式・ねじ込み式で、なおかつ電圧600V以下の照明器具であれば資格なしに個人で交換できますが、照明を新たに増設する場合は専門的な資格を持つ電気工事業者に依頼しなければなりません。
ここでは、気になる照明増設の工事費用の相場や、電気工事を依頼する上でのポイント・注意点に関して詳しく解説していきます。
目次
1.照明増設を依頼する前に知っておきたい基礎知識
照明工事の種類は大きく分けて、照明の新設や増設、照明の交換といったものが挙げられます。
冒頭で述べた通り、家庭用の簡易的な照明器具の交換であれば個人でも可能ですが、天井など高所にある器具の交換や、故障した際の修理となると工事業者による作業が不可欠です。照明の増設工事は、多くが既設電源を利用したり、配線を引き延ばしたりして設置するため、新設ほど費用や手間はかからないことが多いです。
新設よりも作業が少ないため、DIYで増設したいという方も多いかもしれません。しかし、照明の増設および新設には電気工事士(第二種)の資格が必要であり、この資格を持たない者が工事を行った場合法律で罰せられるため注意しましょう。
電気や配線の知識もさることながら技術も必須であり、知識と経験がない人が実施すれば感電や火災の恐れがあるため、必ず電気工事業者に依頼してください。
次に、住宅内の各場所や用途別の照明選びについても見ていきましょう。玄関ホールや廊下、トイレや浴室などには、壁に直接付けるタイプの直付け式照明器具が適しています。リビングやキッチン、子供部屋や寝室に関しては天井につけるシーリングタイプを採用することが多いです。
また、寝室の照明はリモコン操作も可能なようにしておくと非常に便利です。和室は、部屋のデザイン・テイストにマッチした吊り下げ式のペンダントタイプが良いでしょう。
より便利かつ快適に暮らすためのポイントとして、玄関ポーチや階段の照明は三路式のスイッチを採用するのが望ましいです。三路式のスイッチを採用することによって、階段の上で点灯して階下で消灯したり、玄関の外の照明を室外で点灯して室内で消灯するなど、夜間も安全に行き来できるようになります。
照明器具のデザインに関しては、好みのものを選ぶということも大切ではあるものの、部屋の広さや用途も考慮した方が、後悔がなくより快適にすごすことができるでしょう。
2.照明増設工事の相場費用
照明増設工事は、新たな電源の設置が必要でないことが多いため新設工事よりも費用を抑えることができます。相場としては、追加の器具取り付けやスイッチ取り付けは5,000円前後、配線の増設を伴う場合は8,000円前後が一般的です。
これに加えて、配線器具を交換する必要がある場合は追加で5,000円前後が必要となります。照明器具を追加したことにより、電源を引っぱっているコンセントの電気容量が足りなくなった場合、コンセントの増設工事も必要となるため3,000〜5,000円が追加されるケースもあるでしょう。
追加したい照明の種類によっても、料金が異なります。LED照明を増設したい場合は、15,000円前後が必要です。他にも、シャンデリアやシーリングライトの取り付けは一箇所につき20,000〜40,000円(照明器具そのものの代金は別)、ダウンライトの取り付けは20,000〜35,000円が相場となっています。
特に、シャンデリアの場合は照明器具本体の価格もさることながら、その重量に耐えうる強度をつけるべく天井の補強工事も必要です。対応している部屋の広さによっても相場費用は異なり、広い部屋に対応しているものほど照明器具本体の価格は高くなる傾向にあります。これらに加えて、業者の出張費用や基本料金も発生するということを覚えておきましょう。
3.電気工事が必要ない照明器具増設例
スイッチを増やしたり、LED照明にしたいなどの場合は基本的に電気工事士の資格がなければ設置は不可能ですが、簡易的なものであれば資格のない一般人でも設置は可能です。
たとえば、コンセントから電源を取るコンセント式の間接照明などが挙げられます。お部屋のインテリアとして、また演出アイテムとして便利なタイプですが、こちらの場合設置に資格はいりません。
同様に、ホームセンターや電気店などで販売されている照明器具のうち、「ワンタッチ取り付け器具」や「引きかけシーリング」、「カチッとタイプ」といった表記があるものは、資格なしでも取り付け可能です。資格のない一般人が取り付け不可能なのは、「電源直結式」と書かれたものなので、こちらも併せて覚えておきましょう。
4.まとめ
照明増設の電気工事を依頼する際、照明器具のデザインや光量にばかり目がいきがちですが、「どの部屋をどのように使いたいか」といった普段の生活スタイルを考慮することも重要です。
玄関や階段には三路式スイッチの採用、寝室にはリモコン機能の追加など、住宅内の場所や使用シーンを想定した増設計画を練って、今まで以上に快適な生活をクリエイトしましょう。